恋するキャンディ3私だけの甘々不良彼氏
最悪の事態でないにしろ、それに一番近く思えてしまう病名を聞いて、私の体が一瞬強ばった。

まさか……そんな。

「癌……」

「あぁ。食堂癌でさ……前に検査したときに見つかったらしくて、

実は最近手術も無事に終わって……とりあえず今は退院してる」

「じゃあ、今は元気なの?」

「……まぁな、とりあえず。

けど、胃を全部切除して……食べんのがしんどそうだな。

痩せてげっそりしてるしさ、今までみたいな元気はねぇな」




「胃を……!?」

「そ。まぁ今は香純さんが、爺さんの身の回りの事、全部やってる。

任せっきりで悪いと思うのに、親父やお袋は、全く顔出さねぇんだぜ?

ったく……アイツらの冷血加減には、呆れるぜ」




香純さんは、お爺さんの前妻との間にできた子の娘だし、

当麻くんの両親との間に、なにかしがらみがあるのかな。

その辺の事情は、私にはよくわからないんだけど……。




「だから……当麻くん最近ウチに戻ってたんだね。

忙しかったのも、お爺さんのお見舞いに毎日行ってたからなんだ?」

「ま、そんなトコ」



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