恋するキャンディ3私だけの甘々不良彼氏
すっかり夜も更け、そろそろお開きの時間になる。

あのあとすぐに、香純さんとお兄ちゃんが2階からおりてきた。

お兄ちゃん、照れ照れでなんだか様子がおかしい。

香純さんは、余裕の笑みだったけどね?




当麻くんは、

『さっきは、香純さんからキスしたんかも』

なんて言ってる。

ホントの所はどうかわからないけど、いつものふたりと違うのは確か。

……無事に付き合うコトになってたら、イイな。




フロアに全員が集まり、お爺さんを囲む。

締めの挨拶を始めるみたいで、お爺さんがイスから立ちあがった。

「みんな……今日はこんな老いぼれのために、集まってくれてすまんかったの。

生きていて、こんなに嬉しかったことは……ない」

お爺さん、グッと涙をこらえて声を絞りだしている。




最初は涙ながらに話していたけど、

お店の歴史から始まり、数々の武勇伝の話題は尽きない。

「……なげぇ」


< 332 / 471 >

この作品をシェア

pagetop