恋するキャンディ3私だけの甘々不良彼氏
「うわ……最悪だ。オレ、転職してぇ」

「子供がいるのに転職か? 高卒ヤンキーで、資格もないお前を雇う会社なんてないだろ」

「クソッ……」

当麻くんからしたら、大嫌いなお父さんの会社で働くのは、一番の屈辱なはず。

まさか、こんな結果になってしまうなんて。




当麻くんは唇を噛みしめて悔しがってる。

そしたら当麻くんのお父さんが、私の方を向く。

「当麻のことを……よろしくお願いします。コイツはバカで考えナシで、力しか取り柄がなくて」

トゲがあるんだけど、私に向けられた瞳はなぜか温かい眼差しだった。

「そんなことないです。私には最高のひとです」

「そうか……。当麻は、いいひとと出会ったんだな。

当麻、お前のことは、次期社長候補に考えてる」

え……?

当麻くんのお父さんの予想外の言葉に、当麻くんも慌てて顔を上げる。

「なに言ってんだよ。兄貴がいんだろ……」




「アイツには、これから立ち上げる、海外事業部の役員を任命してる。

ワシの跡継ぎは、お前しかいないってずっと決めてた。

これから十分経験を積んで、社員の信頼を得て、しっかりと働くように。いいな」


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