手のひらの温度


「夾さん達はまだなんですか?」

「うん。愁ちゃんはバイトで遅れるってー」


愁さんってドラムだよね。

私ベースだからドラムってかなり大切なのにいないなんて・・・。


「あ、来たっぽいよ!」


暁人さんが指差した方向を見ると
ギターを担いだ男の人がこっちに向かって歩いてきていた。


「おー。昨日ぶりぃー」

「はいはい。昨日ぶり昨日ぶり。
あ、日向ちゃん本当に来てくれたんだ!よかった」


私は笑いながら言葉を濁した


自分でだってなんでここに来たのかよく分からない
自分の意思だったのだろうか・・・?


そう思いながら暁人さんの方を見ると
やはり彼はわらっているのだった。

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