まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~
正当な理由なく解体することは禁止され、私のように使命を終えたものについても、最期まで面倒を見るように定められた。どうしても面倒を見られない場合には、人間と同じ介護施設へ預けることも必要になる……
その事から導き出される最も合理的な推測は、ここが私の終着点だという事だ。
着古されたスエットの伸びきった袖口をつまみ上げて見つめてみる。「どうして、なかなか似合ってるじゃないか」と、思わず苦笑が漏れてしまった。