まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


しかしそれでも、分からなかった事が分かるようになるというのは、非常にすがすがしい気分だ。何も分からず、初対面の人に声をかける時の不安な気持ちと比べれば、ずいぶん良い。


働けなくなったという事実を受け入れるのは悲しいことだが、喜ぶべきことがひとつある。


私にはこの施設で、執事として任されるべき仕事があるということだ。


    *    *    *


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