まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


その二十畳ほどの広さの洋室では、食事の準備が始まっていた。施設職員を除けば、私以外は既に全員テーブルについている。


利用者は皆、背中を丸くした皺くちゃの老人ばかりなので、もしかしたらヒューマノイドは私だけなのかも知れないと思えた。


しかし、あまりじろじろと見るのは相手が人間であれヒューマノイドであれ失礼に当たるだろう。


何事もなかった様な振りをして、私は空いている席に着いた。



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