まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


カチャカチャという、プラスチックの食器の触れ合う音が響く。無駄な会話はない。


食事は正直、ひどく不味いものだった。煮崩れる寸前の煮物に、加熱が過ぎて糊状になった粥。


味噌汁にしても市販の出汁入り味噌を溶いただけの代物だ。おまけに吹きこぼしていて豆腐に洲(す)が入っており、味噌の風味などは全く飛んでしまっている。



< 25 / 71 >

この作品をシェア

pagetop