まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~
「そのままトイレ介助!急いで!○○さんはそこに居て、食事介助を続けて。他の人も見といてね!嚥下(えんげ)障害ある××さんを、特に注意して見といてちょうだい」
何が起きたかという興味よりも先に、私は記憶装置の奥の方にかかる激しい負荷(ストレス)を感じていた。
どうも今、何かを思い出しそうになっている。この不快な匂いは、失われた記憶の奥底へ繋がる糸口に違いない。そういう確信がある。