まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


そしてごく近いところで、パチンと、薪のはぜる音。よくよく耳を澄ませば、小さな薪の炭が燃え尽きて灰になり、形を失って崩れ落ちる音までも聞こえて来る。


そろり、目を開けるとそこは、お屋敷の寝室であった。


「私がスクラップ寸前とは……なんとひどい夢だろう」


私は天井を見上げると、深くため息をついた。



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