まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~
人格プログラムを作成する際に、ベースとなる記憶の一部が深層記憶と深くリンクしている場合、予期せず深層記憶までプログラムに組み込む事になってしまい、それがヒューマノイドの見る夢として出現するケースが報告されている。
これは、記憶を提供した人のプライバシー保護の観点から望ましくない事なのだが、強制的に深層記憶だけを排除する事は技術的に不可能であった。
そこで、ヒューマノイドは夢を見ないという事にして一応の体面を整え、実質的には夢の内容をアウトプット(主には口外すること)できないようプログラミングする事で対応をしているだけなのだ。