まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


私はゆっくりとベッドから立ち上がり、体のどこにも異常がないことを確認した。手先足先から頭のてっぺんに至るまで全て、異常は見当たらない。


安堵して胸を撫で下ろし、見慣れたその部屋をもう一度ぐるりと見回した。


暖炉の火は小さく弱くなり、赤くなった炭の灯りが薄ぼんやりと辺りを照らしている。



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