まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


簡素な作りのベッドに必要最低限の家具、それにレンガで組まれた暖炉……全てに見覚えがある。


ここは紛れもなく、私が四十数年間暮らしてきた部屋だ。


暖炉の横には薪が山ほど積んである。お屋敷の各部屋に薪をくべるのに、いつでも持ち出せるよう準備をしてあるのだ。


そしてその薪を見ると、黙々と薪割りをする坊っちゃんの姿が思い浮かんでくる。



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