まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


「旦那様は、ずいぶん喜んで下さったなぁ」


太い薪の間に押し込まれた細いのをつまみ出し、ポキンと折って炭火にくべた。


坊ちゃんは勉強に行き詰まっては薪割りをして頭を空っぽにし、そして薪割りで体が疲れるとまた、机に向かった。そうやって空っぽの頭で机に向かうと、今まで見えなかったものが突然見えるようになることがあるのだそうだ。



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