まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~
とその時、少しの異変に気が付いた。
ベッドの横にあったはずの家具がなくなっている。知らぬ間に、音もなくその場から消えてなくなってしまったのだ。
そして信じられない事に、つい先ほどまでそこにあった家具が、どんな物だったのか全く思い出す事ができない。
「私は、どうしてしまったのだ……」
次に気付いたのは、窓だった。部屋に二つあるはずの窓が、ただの白い壁になっている。まるでそこには窓など元より無かったかの様だ。