まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~
「枕元に飾ってある写真を見てらっしゃる時には、いろいろと思い出されているみたいで、表情が和らかになっています。お忙しいとは思いますが、移られてからもできるだけお顔を見せてあげてくださいね」
私が「分かりました」と小さく返事をすると、看護師は老婆の肩を抱くようにして何か声をかけに行った。これから一緒に、どこかへ移るということなのだろう。
メニュー