まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~


「それでは、下にタクシーが来ていますので、そちらへ」


医師の静かな声が響く。もう何も見たくないし、考えたくもなかった。


心にそっと蓋をかぶせる様にして何も感じないように努めると、やがて舞台の幕が閉じるように辺りがふっと暗くなり、そこで意識が途切れた。



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