モテ彼×ブキヨウ彼女
―――………
――……
―…
「……でさぁ、風太のヤツ居眠りしてて……
って円香聞いてる?」
「えっ!?
あ……聞いてるよ」
――それから2日後の金曜日。
あたしたちは、いつものように駅で待ち合わせをして、電車が来るのを待っていた。
昨日も今日も神崎君の様子に変わりはない。
眩しいほどの笑顔であたしを見て、心地よく響くテナーの声で話しかけてくる。
だけど、あたしは……2日前のあの光景が頭から離れない。
すごく仲良さそうに寄りそう2人の姿……。
そのせいで、神崎君の話にもずっと上の空だった。
神崎はそんなあたしを気にしてか、身体を曲げてあたしの顔を覗き込む。
「円香……昨日から何か変じゃない?」
――ドキンッ!
いきなりの確信をつく発言に心臓が大きくはね上がった。