モテ彼×ブキヨウ彼女
でも、それを聞いて、またしても不適な笑みを浮かべた人物が…
約一名。
「ねねっ円香♪もちろんその試合見に行くんでしょ?」
「う…ん。
そのつもりだけど…」
何だかすごーく、嫌な予感がするのは気のせい?
だって凪ちゃん、語尾に音符が付いてるよ…?
あたしって…嫌な予感に限って、当たっちゃうんだよね…。
ほら見て?
凪ちゃんがスクッと立ち上がった。
「円香!
1週間後の試合の日、初キス目指すよ!」
「はぁ!?
何言って…」
「いいから!
この凪様に任せなさい!
神崎君がキスしたくなっちゃうような、素敵な女の子にしてあ・げ・るっ!」
あたしの背筋が、凍り付いたのは言うまでもない。
ってゆうか、凪ちゃん!
ウインクしてるのに、両目瞑っちゃ意味ないから!
でも、そんなツッコミをするまでもなく、あたしはパワフルな凪ちゃんに腕を掴まれ、
外へ連れ出されてしまった。
「凪ちゃん!何処行くの?」
「な・い・しょ♪」
そ…そんなぁ〜。
助けて!神崎君―――…!!