モテ彼×ブキヨウ彼女
確かあの時、尻餅をついたあたしを起こした後に言ってくれたんだっけ。
『危なっかしくて見てられないから付き合って』って。
あれからもう3ヶ月も経つんだなぁ……。
って……!
そんなことしみじみと思い出している場合じゃないっ!!
「神崎君!
笑いすぎだからっ!」
あたしは両頬を膨らませながら神崎君を見る。
すると、神崎君は涙を軽く押さえながらあたしに近づいてくる。
そして……
――ぷにっ!
……とあたしの膨らんだ頬を掴むと優しい笑顔で言った。
「ごめんごめん。
やっぱり家にいても円香は円香だなぁって思ってさ」
「何それ」
気が付けば……
あたしは、ドアと神崎君に挟まれるカタチになっていた。
……何かもう、どうでもいい。
見つめ合うあたしたちの顔が、スローモーションのように近付いていく……。
トクン……トクン……
心地の良い心臓のリズムに、あたしがそっと目を閉じた。
……そんな時だった。