モテ彼×ブキヨウ彼女
「かかか神崎君!?」
突然の出来事に、あたしは何度も瞬きを繰り返す。
でも、一瞬のことなのに触れられた部分には柔らかな感触が残っていて。
また倒れてしまうんじゃないかと思うくらいに顔が火照ってくる。
現実でも、妄想という名の夢の中でも……初めてのキスじゃないくせに……。
神崎君があまりにも真剣な瞳をするから、ドキドキが止まらなくなってしまった。
あたしは、火照った両頬を隠すように、両手で顔を包み込む。
「し……下にみんないるよ?」
これ以上、目を合わせていられなくなり、そう言いながら視線をドアに移した。
はず……だったのに――……。
――ぐいっ!
「きゃ……!!
……んんっ……!?」
神崎君はあたしの腕を掴み、再びキスをした。
さっきとは全然違う……
身体がとろけちゃいそうな甘い甘いキス。
「……ん……」
――小さな部屋の中に……
2人の息遣いだけが聞こえる。