モテ彼×ブキヨウ彼女
実は今日――水曜日は、神崎君の部活が休みの日。
いつもならば、今ごろ放課後のデートを楽しんでいるはずだった。
実際に今日だって、朝電車の中で「このカフェに行こう」と話していて、あたしは張り切って予約まで取っていた。
それなのに、いざ学校を出ようとした時になって突然掛かってきた電話。
‘ごめん!今日急用が入って行けなくなった!’
電話越しでもかなり急いでいる様子が伝わってきて、あたしは急用の中身さえ聞くことができなかった。
付き合い始めて半年。
初のデートキャンセル――。
因みに、その時ちょうどそばにいたのが、彼氏が受験勉強で忙しく、暇を持て余していた凪ちゃんで。
神崎君のキャンセルとこのカフェの予約の話をしたところ、目を輝かせて付いてきたというわけだ。