涙が愛しさに変わるまで




茶道室の前に立つとポケットを探る愛子。



「なにしてんの?」



「鍵出してんの」



「鍵?鍵は先生が… えっ?」



愛子のポケットから銀色に光るシンプルな鍵が出てきた。



「な、なんで?」


「そりゃ、私が副部長だから」



「違うよ!なんで持ってんの!」



「合い鍵作ったのよ。なんかあったら茶道室使おうと思って」



ガチャリ。


戸を開けてスタスタと入って行く愛子。



私は放心状態のまま。




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