涙が愛しさに変わるまで
1―不器用な恋―
1―不器用な恋―
「いつまで朝ごはん食べとんねん!遅刻するで!!」
うん。今日も同じぐらいの時間だ。
そう思いながらカリカリのアーモンドトーストをかじっている私は、浪江 真依(ナミエ マイ)。
7時頃に響く母の怒鳴り声から私の朝は始まる。
「まだ食べたばっかやし。」
「やったらちゃっちゃと食べな!」
「食べとるー。」
今日のアーモンドトーストはちょうどいい加減にこんがりしてる。
美味しいなぁー。
なんてのんびりと朝ごはんを食べるのが好き。
なんやけど………
「ぎゃっ!!もうこんな時間やんか!」
自分からのんびりしといて、焦りだすのがオチ。