涙が愛しさに変わるまで
短い髪が落ちないように、赤いバンダナを頭に巻いている。
揃えたくて私も赤いバンダナにしたんやで。
なぁ、修知っとる?
うちが泣きそうになる度にあんたがくれる“慰め飴”は、今までの全部食べたことないんやで。
全部机の棚の中のお気に入りの箱の中に入ってるねんで。
大阪のおばちゃんが持ってるようなのど飴から、小さい子供が食べるようなミルク味の飴まで。
全部あんたがくれた飴やで。
あんたがうちの家に泊まっても見つからんようにちゃんと鍵の付いてる棚の中に入れてんねんで。
そう真剣な眼差しの修に語りかけた。