涙が愛しさに変わるまで




「理由って?」



勇樹君が愛子に尋ねた。



「言わないって言ってんじゃん」



「このままじゃ真依ちゃんが悲しいままやろ。理由言わなあかんに決まっとるやんか」



「言えないことだってあんじゃん」



「あっそ。もういいわ。はよ行けや」




再度、愛子を睨んだ勇樹君の目はさっきと比べられないくらい怖かった。




愛子は勇樹君の睨みなんて気にせずトイレへ行ってしまった。





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