Voice

「直人…………？」


なんで？私立に入学したのに。


……離れようと思ってたのに。


「僕から離れようなんて、１００年早いっつーの。僕はくるみの彼氏なんだから。」


そう言って直人はニコリと笑った。


………変わっちゃったね、直人。



どうしてこうなったの？


きっとあたしが離れられないようにしてるんだ。


「……私……２人すっごくお似合いだと思う……」


それが本音なのか、気を遣って言ったのかはわからないけど、どちらにしてもあたしには逆効果だ。


「あのね、実那……」


「だろ？僕もそう思うんだ。」


とりあえず、愛想笑いしているあたしが嫌だ。


でも、『そんなことない！』なんて言うのも変だし、だからと言って『うん、そうだよね』なんて口が裂けても言えない。


無表情だと怒ってるのかと思われるし、今のあたしには愛想笑いが一番最適だった。