二世
 

瞳を閉じれば、鮮明に思い出される愛しい人。


日の光を受けて輝く金の髪は、満ちた月のように神々しく、青い瞳は全てを飲み込む海のように深く美しいものだった。

小さな唇から発せられる言葉は、理解こそ出来なかったが、耳に心地良い音で、胸に響いた。

種族や言葉は違っていても、心は通じ合っていたと僕は思いたい。



今、彼女はどこにいるのか…。
同じ星に生まれた僕のように、彼女もあの青い星に生まれただろうか。




「王子、準備が整いました。」
「分かった。…ギイ。」
「何でしょう?」
「僕の話をどう思った?」

王子は一瞬の動揺も見逃さないようにと、臣下のギイを真っ直ぐ見据えた。
突然の質問に驚いたものの、ギイは微笑み答えた。

「不思議な話でしたが、あなたを信じていますから。」
「そうか。」

ふっと笑みを零した王子。
熱く照り付ける太陽を一度見上げ、王子は宇宙船へと乗り込んだ。ギイも後を追うように乗り込み、船艦の扉は閉められた。



 
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