二世
「あ!流れ星!!」
佐和子が指差した空には光の筋が伸びていた。
「あれ?」
「え?」
その光は消えずにどこまでも真横に流れていく。
普通、流れ星は一瞬で流れゆくもの。
それが、こんなにも長く真横に流れていくものを見たのは初めてで、何とも不思議な光景だった。
その光は吸収されるように月まで流れ消えた。
「今の、本当に流れ星?」
「分かんない、けど!なんか凄いの見ちゃったね!!」
興奮する佐和子とボー然と空を見上げたままの那佳。
もしかしたら、酔っ払ってるせいかな、と那佳は目を擦った。
――その時だった。
月が太陽のような輝きを放ち、辺りを白い光が包んだ。
その光が消えた時、那佳と佐和子の姿は消えていた。
本当に瞬きをする、その一瞬の出来事だった。