エンジェリック*エイジ
……ガタンガタン……
遠くから、列車が走って来るのが見えた。
天野とも、これでお別れだ。
「天野さん、また会える?」
悠里がそう尋ねると、天野はもちろん、と頷いた。
「これは永遠の別れじゃない。きっと、また会えるよ…」
天野が言い終わるか終わらないかのちょうどその時。
悠里は天野を抱きしめていた。
……さよなら、天野さん。
また、いつか。
自分より遥かに小柄な体を、強く強く抱き寄せる。
天野も悠里に応え、悠里の背中をぽんぽんと叩いた。
「……もう、こんなことされたら泣いちゃいそうになるでしょ」
天野は悠里の背中を摩りながら苦笑気味に言う。
悠里は笑って天野を放した。