エンジェリック*エイジ
「部活に行こうと家を出て……自転車こいでたところまでは覚えてるんだけど」
ふんふんと少女は頷き、もう一度尋ねる。
「そこから先の記憶がない?」
「あぁ…」
悠里は頭を掻いた。
やっぱり思い出せない。一体自分に何が起こったのか……。
「あのね、」
すると、少女は屈託のない笑顔で言い放った。
「単純明快に言うと、あなたが信号が青になるまえに横断歩道を渡ったら、トラックに撥ねられてしまいましたとさ、めでたしめでたし」
「――めでたくねぇ!!何だよそれ!」