エンジェリック*エイジ
「泣くのは、いい」
少女は悠里の背中を優しく摩った。
「死ぬのはつらいことだから、たくさん泣いていい。泣けるのは、自分の運命を受け入れられたってことだから」
悠里は、少女の腕の中で瞬きをした。
また、止まったはずの涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「人は、訳のわからないことじゃ泣いたりしない。悲しいから泣く。嬉しいから泣く。つらくて苦しいから、泣く」
気づいたときには、悠里も少女の背中に手を回し、少女の肩に顔を埋めて泣いていた。
……死んだのだ。
嘘でもなく、夢でもなく、幻でもなく。
自分は事故で死んだ。
それを否定したくても、心のどこかで理解していた。
……そのことに、悠里は気づいたのだ。