エンジェリック*エイジ


「普通は、こんなふうに文字がしっかり読み取れるんだけど」

天野は自分の切符を悠里に見せた。
そこには

『天界発特別列車
 現世⇒天国乗車券
     天野さま』

と書かれている。

「悠里くんのは、字が薄すぎる。それは完全な切符じゃない」

そう言われ、悠里は自分の切符に目を落とした。

薄すぎて読み取れない文字。
きっと切符には自分の名が印刷されているのだろう。

「完全じゃないと、何かまずいの?」

悠里は顔を上げ、天野に尋ねた。

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