エンジェリック*エイジ


「その2人が、悠里くんの“未練”だね」

そして天野は大きく伸びをして、すっくと立ち上がる。

「さぁて……じゃあそろそろいきますか!」

天野は声高らかにポケットからリモコンのようなものを取り出し、線路の方に向かって真っすぐに構えた。

楽しそうな天野を、悠里は呆然と見つめる。

「何……始めんの?」

「悠里くんの未練解消に決まってるじゃないか!次の列車に間に合うように、ちゃっちゃと終わらせるよー!」

肩を回しながら、天野はそう言って意気込んだ。

悠里には意味不明である。

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