エンジェリック*エイジ
悠里は納得して、目の前の懐かしい光景を見た。
……これは確か、中3の夏休みのときの。
水泳部が遠征に行っている隙を狙って、学校のプールに忍び込んで好き勝手に遊びほうけた日の記憶だ。
悠里と文弥は制服のままプールに飛び込んで泳ぎまくり、それを絢音がプールサイドから笑って眺めていた。
「なー、絢音は泳がねぇの?」
文弥がプールサイドに近寄ると、絢音は笑って首を横に振った。
「あたし、スカートだもん。あと万が一見つかっても、濡れてなかったら怒られないし」
「うっわ、卑怯なやつ!」
文弥は声を上げると、絢音に向かって容赦なく水鉄砲を発射した。
「わ、ちょっと何すんの!」
攻撃をくらった絢音も、負けじと文弥に水をかけ返す。