エンジェリック*エイジ


3人でいるのが一番居心地が良かった。

互いのこともよく知っているし、話も合う。今さら変に気を遣うこともない。

文弥と絢音といるときの悠里は、一番自然体でいられた。
伸び伸びと過ごせた。

だから、この関係を壊したくなかった。


……例え、恋心を抱いてしまったとしても。


プールで笑い合う3人を見つめながら、悠里は哀しく微笑んだ。

この頃は良かった。
何も知らなかった。

そして、ずっと知らないままで良かったのだ、と思う。

知らなければ、ずっと楽しかったのだ、と。

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