エンジェリック*エイジ
しばらく黙ってプールに浸かっていると、急に風景が歪み始めた。
さっきと同じように眩しいプールの光景は滲んで消えゆき、また新しい風景が映し出されていく。
机。黒板。教室。
人影。
うっすらと赤く染まる空。
遠くに聞こえる蝉の声。
そして、静けさ。
「……これって」
見覚えのある光景だった。
忘れるわけがない。
これは、この日は。
「……絢音、ごめん」
ふいに聞こえた声に悠里が振り返ると、そこには俯く文弥と絢音が立っていた。