エンジェリック*エイジ


「……絢音の気持ちには答えられない」

押し殺したような文弥の声。
その表情は、硬い。

「……なんで」

泣きそうな顔をした絢音が、文弥のカッターシャツの裾をそっと握った。


……あぁ、これは。


悠里は、手を固く握り締めた。


夏の終わり。

放課後の教室。

2人だけしか居なかった、

あの日。



――絢音は文弥に、告白した。


< 32 / 111 >

この作品をシェア

pagetop