エンジェリック*エイジ


「……今の3人の関係を、壊したくない」

「壊れないよ」

文弥の言葉を、絢音が遮る。必死に否定する。

「ずっと一緒にいたんだから、こんなことで壊れたりしないよ。悠里だってきっとわかってくれる」

「――絢音は知らないから」

絢音の訴えを聞き、文弥は顔を上げた。
真っすぐに、絢音を見据える。

「絢音は知らないんだ、悠里の気持ちを」

「悠里の気持ち……?」

絢音は瞬きをした。
そして、切ないような悲しいような、複雑な表情をして呟いた。

「…文弥の、気持ちは……?」

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