エンジェリック*エイジ


「…俺、教室に忘れ物してて」

頭を抱えたまま動かない自分を見つめながら、悠里は口を開いた。

「取りに来たら、2人が何か話してて。……興味本位で盗み聞きして」

そこまで言って、悠里は俯いた。
肩が、震えている。

「…………全部、聞いちゃったんだね」

天野は、そっと悠里の肩を抱いた。
優しく優しく、その震えを撫でる。


「……文弥くんは、悠里くんの気持ちに気づいてた」


悠里は、唇をキュッと噛み締めて頷いた。

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