エンジェリック*エイジ


何だったのだろう、と、悠里は呆然と列車を見送った。

……そんなことよりも。

「早く学校に行かないと…」

今日は土曜日で、朝から部活がある。
大会も近いので、こんなところにいて休んでいる場合ではない。

今の悠里の格好は、ウインドブレーカー。部活動着である。

部活に行こうと家を出たところまでは覚えているのに、その後がどうしても思い出せなかった。
家を出発して、この駅まで至った経緯が全くわからない。
そうなるともちろん、帰り方もわからない。


思い出せないなら仕方がない、と悠里は諦め、とりあえずこの先自分はどうしたものかと頭をひねった

……ちょうどその時。

< 4 / 111 >

この作品をシェア

pagetop