エンジェリック*エイジ


少女の蒼い瞳が、悠里をまじまじと見つめる。

「…あなたも乗り遅れたの?」

「……は?」

悠里は顎を摩りながら首を傾げた。

少女は立ち上がり、悠里に手を差し延べる。
悠里は戸惑いながらもその手を取って体を起こした。

「来たでしょ、さっき。列車が」

「あぁ……」

悠里が頷くと、少女はやっぱり、と息をついた。

「あの列車に乗らないと、天国には行けないのよ」

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