エンジェリック*エイジ
「……絢音」
悠里が呼ぶと、文弥に声をかけようとしていた絢音は立ち止まった。
「なぁに?」
「俺、お前らと一緒に過ごせて楽しかった」
絢音は怪訝な顔をする。
「…どうしたの、急に」
「文弥と、絢音と、俺と。ずっと笑って、馬鹿やって……めちゃくちゃ楽しかった。願いが叶うなら、もう一度3人で過ごしたい。……でも」
「悠里!」
絢音が声を上げる。
…察したのかもしれなかった。
悠里がまだどこにも行かずに傍にいることを確かめようと、絢音は必死に辺りを見回す。
「……絢音」
悠里は、静かに微笑んだ。
「幸せになれよ」