エンジェリック*エイジ


……ずっと言いたかった言葉。

ようやく、言えた。


「待って悠里!」

絢音は声を抑えて叫んだ。
その目は、切迫している。

「まだ駄目!ここにいて!ちゃんとあたしたちを見届けてよ!」

こんなに嬉しい言葉はなかった。

まだここにいて。
行かないで。
あたしたちと一緒にいて。


そうだよ、と悠里は頷く。

俺だって、まだ絢音たちと一緒に居たい。

離れたくない。

願いがひとつだけ叶うなら、


死ぬほど、今生き返りたい。


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