ちっぽけな幸せを君に
 不自然に文はそこで途切れていた。


 「……!?俺が来る直前までいたのか!」


 俺は日記を机の上に戻し、外へ飛び出して叫んだ。


 「流歌っ!!流歌っ!!」


 雨は勢いを増して視界を狭める。


 「……歌?」


 幻聴だったのかも知れない――


 でも、確かに聴こえたんだ……



 俺は走り出した。行き先はもちろん――


< 113 / 276 >

この作品をシェア

pagetop