ちっぽけな幸せを君に
 曲名はなく――


 メロディーすらない謳……


 降りしきる雨音のリズムにのり流れてくる。


 静かに謳う流歌の声は不思議な程大きく、強く優しい……


 だから俺は直感で理解したんだ――



 「流歌――」



 やがて謳は終わりゆっくりと流歌は振り向いた。


 「かずき……ありがとう――」


 やめてくれ……


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