ちっぽけな幸せを君に
 抗う事すら赦さない流歌の声は俺から言葉を奪う。


 「かずきと出会い、過ごした日々は長くはなかったけど……凄く、凄く幸せだったよ――」


 出せ!


 声を出せ!


 声を――


 「もし……かずきに出会わなかったら、今の私はいなかった」


 約束しただろ?


 俺の側でずっと謳ってくれるって――


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