ちっぽけな幸せを君に
 「静かに!今日は転校生を紹介する。君、自己紹介をしなさい」


 全く安っぽい台詞だと心の中で辛辣に批評してから俺は自己紹介をした。


 「初めまして、時任 一稀(トキトウカズキ)です。趣味は――」


 「じゃあ席は……霞の隣、あそこだ」


 俺の自己紹介を勝手に終わらせた担任、よく見るとかつらっぽい頭をした男は空席を指差した。


 「はい」


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