ちっぽけな幸せを君に
 「私も別に構いません……」


 控え目に同意したのは短大を出て今年入社した中田 唯(ナカダユイ)。どちらかと言えば大人し目で、入社は俺が先とはいえ年齢は一つ上なのにやけに低姿勢だ。


 この四人に俺を含めた五人が何故か行動を共にする事が多かった。


 「決まりだな!」


 啓太の言葉を合図に四人の視線が俺に集中する。


 「わかったわかった……」


 俺は飲み会の席での事、と高をくくってどうせ実現しないだろうと思いながら了解した。


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