ちっぽけな幸せを君に
 早苗の家を回る時間を計算した俺は早目に支度を済ませて家を出た。


 外は雪こそ降ってはいないが、身を切るような冬の空気は俺の身体を硬くする。


 足早に車に乗り込んだ俺はキーを回してエンジンをかけると、アクセルを軽く踏み込んで駐車場を出て早苗の家へと向かった。


 早苗の家の近くにあるコンビニに着いてから俺は携帯を取り出して早苗に着いた事を伝えた。早苗はすぐにやってきて


 「わざわざごめんねー」


 と言って助手席へ乗り込んだ。


< 132 / 276 >

この作品をシェア

pagetop